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2008年8月27日 (水)

NO 73 松林の朝日、芙蓉手の焼き物と歴史、

 北軽井澤の朝は空気が良く澄んで、何とも言えない森の景色が見られます。
 これは朝6時太陽の光が差し込んだときのものです。
 この辺一帯は松林です。松は一年に40~50センチ成長します。大木が並び立ち、地面はブルーベリーの群生が見られます。

 同

 夏の間旅をしたり遊んだりで陶芸作品が絶えました。
ここでまた作り始めましたので、何れお見せ出来ると思います。暫くご勘弁下さい。その間に少しのものですが集めたものをお目にかけます。

 芙蓉手と言われている焼き物
 中国万暦年間(1573~1619)に景徳鎮で創始された青花磁器の様式です。
 オランダ東インド会社(VOC)が中国でこの皿を大量に買い上げて欧州へ運び大儲けしました。
 時あたかも明朝末期にあたり、中国々内は混乱により陶器の生産が注文に間に合わず、VOCはこれを伊万里に大量に発注してきました。明製の芙蓉手を手本にして伊万里から大量のこの焼き物が積み出されてゆきました。その皿には東インド会社のマーク VOCが記されていました。
 下の白磁染付けは帝国ホテルの近くの銀座の小さな骨董屋で買いました。今その店はありません。これは小さなものですが美しさに引かれたのです。
 店主の老人の話ではアメリカ大使の夫人がこの手のものを買い集めていると言っていました。
 45年程前のことです。店主の話だと江戸時代の国産ものとの事ですから有田産と思います。唐物(中国産)も時々僅かな取引があるようです。
 径16cm、高さ5cm
 
 芙蓉手皿、神戸市立博物館蔵、里帰りの品
 VOCのマークが入っています。これは多分有田が注文を受けて大量に作り伊万里から舟積されたのではないでしょうか。
 有田で古い廃窯を発掘すると、この手の皿の破片が大量に出るそうです。生産が大きかった事がわかります。
 この皿は日本人が欧州で買い求め里帰りと言えるものです。1690~1700年初頭の作品の由。
 径40cm、高さ6,9cm大皿です。

 
 ここで面白いことに気がつきました。明国滅亡は1644年で、この17世紀の約前半は明の国力の衰微で混乱し、外敵の侵入で悩まされていました。更に秀吉の朝鮮侵犯でも明国は朝鮮救済のために大軍を朝鮮に送り、経済的に行詰まっていました。陶芸も衰微が始まりました。
 秀吉の朝鮮侵犯は1600年直前でした。李三平が有田に連れてこられて白磁鉱脈の発見がその頃だと思います。
 そして日本で本格的に白磁の生産が始まった頃に、丁度VOCが芙蓉手を伊万里に大量発注を始めたと推定されます。
 万暦の焼き物と、明国の衰微と、秀吉の侵犯と、優れた朝鮮陶工の確保と、白磁鉱脈の有田での発見と、VOCの存在と活躍と、有田、伊万里の大発展が歴史の上で有機的に繋がっている事になります。
  歴史って面白いですね。
  このどれもが欠けても、この話は成立しなかった筈で、これを材料にすれば、大スケールの小説が書けそうに思いま
 尚、芙蓉は広辞苑で見ると、花の名、蓮の花の別称、美人の例え、芙蓉峰は富士山の雅称とありますが、皿の真ん中に丸い大きな部分があり、これが革新的な図案として愛された原因と思いますが、中国では蓮の花を芙蓉としていますので、それが命名のもとと思います。
 蓮の花です


 歴史年表を見ていましたら丁度この頃に英国でシェークスピアが活躍していたことを知りました。彼はもっと新しい人と思っていましたから私の無知に驚きました。
  それに、VOCはこの皿を欧州全土で売りさばいた のですから、多分イギリスにも渡り、シェークスピアの家にも有ったかも知れません。
 あの小さな国のオランダが、勇敢にも帆船でアジアに来航し、大きな商売で大成功を収め、相手国も豊かにしたことを思うべきです。商売はかくあるべしと思います                
                以上

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コメント

芙蓉手の語源として中国で蓮の花を芙蓉というからというご説明は間違っていると思います。なぜなら芙蓉手という呼称は、日本のみで呼ばれている意匠の呼び方です。中国では、これらの意匠を芙蓉手と呼ばれたことはありません。ですから、普通に考えて日本の芙蓉と呼ばれている花が元と考えるのが妥当だと思います。蓮の花と芙蓉の花を比べていただければ一目瞭然です。気になったので。

投稿: 通りすがりの者 | 2013年1月14日 (月) 21時52分

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